入れ歯作りは、当然患者さん一人ひとりお口の状態は異なりますのでオーダーメイドでの製作になります。入れ歯の作成には、妥協のない長年の経験と知識が必要であって、単に形を採り、技工士任せにしていたのでは、快適な入れ歯作りはできません。
その人に合った入れ歯とは何か、それはどんな形態なのか、どんな歯並びが最適か、どのようなかみ合わせが良いのかを探る必要があります。その為には時には治療用の入れ歯を使い、その人の適正な入れ歯を模索し、最終の入れ歯を作成します。

現状にどんな不満があるのか(食事が食べられない、つけている入れ歯がよくはずれる)、どんな食べ物を食べたいのか、審美的な不満などをまずはお伺いし、患者さんの希望される入れ歯がどのようなものかを探っていきます。その後、入れ歯の作成計画をしっかりとご説明します。

様々な方法がありますが、基本的にはまず現在の歯の状況を知る為に、上下の歯の型を取ります。その後、その方にあった最適な入れ歯の位置を様々な方法で検査していきます。
- ゴシックアーチです。ゴシックアーチとは、下あごが前後・左右に動く軌跡のことを言い、この軌跡を見て入れ歯の形を検討します。
- さらに医師の指でも入れ歯の位置を探っていきます。
- 入れ歯をつけた際に、
顔の真ん中のラインと水平になるかを調べています。

印象を元にして、入れ歯を製作します。以前に入れ歯を使われていた方は、入れ歯の高さや位置が変わっている為使いづらいこともあります。

しかし、これは当然のことで入れ歯を正しい位置にあわせるためにかみ合わせや悪い癖を直すことを目的にしています。症例によっては、治療用の入れ歯を作成し、かみ合わせや悪い癖が修正された後に、本番用の入れ歯を作成します。


入れ歯の制作風景

出来上がった入れ歯を実際に普段の生活で使用してもらうと、今まで悪かったあごの動きや筋肉が矯正されていきます。ですので、定期的に来院して頂き入れ歯を少しずつ調整していきます。

入れ歯は、出来上がってからも4、5回程度調整しようやく患者さんにあった入れ歯が完成するのです。